中小企業のIT担当は、多くの場合「兼務の一人」です。総務や経理と兼任しながら、パソコンのトラブル対応からkintoneの設定、サーバーやネットワークの面倒まで一手に引き受けている——いわゆる「ひとり情シス」。普段は何とか回っていても、その人が体調を崩したり急に辞めたりした瞬間、会社の業務が止まりかねません。本記事では、属人化が生まれる構造と、ひとり情シスが抱えがちな不安、外部に切り出す業務の判断基準を整理します。

なぜIT担当は一人に集中していくのか

意図的に「一人に任せよう」と決める会社は多くありません。それでも属人化が進むのには、構造的な理由があります。

結果として、パスワード管理からベンダー対応まで、業務プロセスではなく「その人の頭の中」に会社のIT基盤が集約されていきます。

「ひとり情シス」が抱える、口に出しにくい不安

属人化のリスクは、経営側だけでなく本人にとっても重荷です。現場でよく聞くのは次のような声です。

この状態が続くと、本人の疲弊が離職につながり、結果として会社は最悪の形で属人化リスクが現実になります。「その人が辞めたら会社が止まる」状態は、会社にとってもその人にとっても健全ではありません。

【判断基準】外部に出す業務・社内に残す業務の切り分け方

すべてを内製化する必要も、すべてを外注する必要もありません。次の観点で切り分けると、無理のない体制に近づきます。

特に見落とされがちなのが3つ目です。外部に頼るにせよ後任を育てるにせよ、まず「今、頭の中にしかない判断基準」を書き出すことが最初の一歩になります。

副業・複業人材や外部パートナー活用という現実的な選択肢

正社員をもう一人採用するのは、多くの中小企業にとって現実的ではありません。しかし今は、専門性の高い業務だけを部分的に外部へ切り出す選択肢が広がっています。

ポイントは、「丸投げ」ではなく「一人で抱えていた業務の一部を、外部と分担する」という発想です。すべてを移すのではなく、負荷が集中している部分から少しずつ切り出していくだけでも、属人化リスクは大きく下がります。

まとめ——属人化は「その人の頑張り」で解決してはいけない

ひとり情シスの問題は、本人の能力不足でもなければ、頑張りで解決すべき課題でもありません。会社のIT基盤が一人の頭の中に依存している構造そのものが問題です。まず判断業務を言語化し、外部に出せる業務を切り分け、専門性が要る部分は外部パートナーと分担する——この積み重ねが、その人にとっても会社にとっても持続可能な体制につながります。

DX Connectでは、属人化したIT・システム管理の現状把握から、外部委託できる業務の切り分け、kintoneなど業務基盤の整備までをご支援しています。「担当が一人しかいない」「その人に何かあったらと不安」という段階でも、まずは現状の棚卸しからご相談ください。