「うちにはITに詳しい人がいないから、kintoneのようなツールは使いこなせないと思う」——導入のご相談で、最もよく伺う不安のひとつです。新しい仕組みを入れるとなれば、設定や管理を誰が担うのかが気になるのは当然です。しかし現場を見てきた立場から言うと、専任のIT担当がいない会社こそ、kintoneと相性がよいことが少なくありません。本記事では、その理由と、IT担当がいない会社が無理なく始めるための進め方を解説します。

専任のIT担当がいなくても運用できる仕組み

kintoneがIT担当のいない会社に向いている理由は、社内で「面倒を見続けなければならないもの」が少ない点にあります。

自社でサーバーを置く仕組みや、個別に開発したシステムでは、こうした部分を誰かが見続ける必要があります。「詳しい人がいないと維持できない部分」を最初から減らせることが、kintoneの大きな利点です。

「詳しい人」に頼る運用が、実は一番危うい

意外に思われるかもしれませんが、IT担当がいない会社よりも、「ITに少し詳しい社員が一人いる」会社のほうが、あとで困る場面があります。

これはExcelのマクロでもkintoneでも同じように起こります。kintoneは作りやすいからこそ、詳しい人が一人で抱え込むと、アプリが増え、ルールがなくなり、やがて手が付けられなくなります。担当者の退職で止まってしまったkintoneの立て直しについては、塩漬けkintoneの立て直し方で詳しく解説しています。

反対に、最初から「詳しい人がいない」前提で始める会社は、作り方をシンプルに保ち、役割を分担する体制を自然と選びます。これが、IT担当のいない会社のほうがうまくいきやすい理由のひとつです。

【目安】外部パートナーと組む場合の役割分担

IT担当のいない会社がkintoneを導入する場合、すべてを外部に任せるのでも、すべてを社内で抱えるのでもなく、役割を分けるのが現実的です。私がご支援する際の目安は次のとおりです。

社内が担うこと

外部パートナーに任せるとよいこと

ポイントは、「業務を決めるのは社内、仕組みの骨組みを作るのは外部」と線を引くことです。どこまでを社内で担うかの考え方は、内製と外注の判断基準でも整理しています。

最初の3か月でやること・やらなくていいこと

導入直後に意気込んで多くを進めようとすると、かえって定着しにくくなります。最初の3か月は、次のように割り切るのがおすすめです。

やること

やらなくていいこと

運用ルールの具体的な決め方は、kintone運用で最低限決めておくべきルールも参考にしてください。

まとめ——「詳しい人がいない」は、始めない理由ではなく、始め方を選ぶ理由

ITに詳しい人がいないことは、kintoneを導入できない理由にはなりません。サーバーの管理が要らず、画面の操作で作り変えられ、管理の型が標準で備わっているkintoneは、むしろ詳しい人に頼らない体制を作るのに向いた道具です。

大切なのは、業務を決める役割と仕組みを作る役割を分け、小さく始めて育てていくこと。この始め方さえ押さえれば、専任のIT担当がいなくても、kintoneは現場の道具として根付いていきます。

DX Connectでは、IT担当のいない会社のkintone導入を、業務の整理から最初のアプリ作り、社内で回せる体制づくりまでご支援しています。「何から手を付ければいいか分からない」という段階でも構いませんので、まずは今お困りの業務をお聞かせください。