kintoneを数年使っていると、こんな困りごとが出てきます。「検索すると同じ会社が3件出てくる」「使っていない項目が画面に残っていて、新しく入った人が混乱する」。いわゆるデータメンテナンスの話です。ただ、「メンテナンス」という言葉からはサービス側の計画停止を連想しがちで、自社のデータについて何をいつやればよいのかは意外と整理されていません。本記事では、点検すべき対象を4つに絞り、頻度の目安と続け方をお伝えします。

データが汚れていくのは、使われている証拠でもある

先にお伝えしておきたいのは、データが乱れること自体は失敗ではないという点です。使われていないアプリのデータは、いつまでもきれいなままです。汚れるのは入力されているからで、つまり定着している証拠でもあります。

とはいえ放置すると、確実に業務の足を引っぱります。起きやすいのは次のことです。

似た論点として、アプリそのものを棚卸しする話は増えすぎたkintoneアプリ、どれから片付ける?で扱いました。本記事はアプリの数ではなく、アプリの中のレコードと項目の手入れに絞ります。

定期的に見るべき4つ

点検の対象を広げすぎると続きません。次の4つに絞るのをお勧めしています。

この4つのうち、業務への影響がいちばん大きいのは2番と4番です。数字が合わない・集計できないという不満の原因は、ほとんどがこの2つにあります。Excelからの移行直後に表記ゆれをそのまま持ち込んでしまい、後から効いてくるケースも少なくありません。

【判断基準】毎月やること・年1回でよいこと・外部に任せたほうがよいこと

すべてを毎月やろうとすると、まず続きません。次の3段階に分けると続けやすくなります。

毎月やること(無理なく続けられる範囲に絞る)

年1回でよいこと

外部に任せたほうがよいと判断する目安

判断の軸は作業量ではなく、やり直しが効くかどうかです。区分の付け替えのように後から戻せる作業は社内で十分にできます。項目の削除やデータの移し替えのように戻せない作業は、手順と退避の取り方を決めてから着手すべき領域です。この種の作業に入る前の備えはkintoneのデータ保護、標準機能だけで大丈夫?をご確認ください。

メンテナンスを続けられる体制の作り方

データメンテナンスが続かない理由は、たいてい「やる人が決まっていない」ことです。やり方が分からないのではなく、誰の仕事でもない状態になっています。続けるために必要なのは3つだけです。

この3つを運用ルールの一部として明文化しておくと定着します。決めておくべきルールの全体像はルールなしのkintone運用は必ず破綻するで整理しています。

まとめ——戻せる作業を定期的に、戻せない作業は準備してから

kintoneのデータメンテナンスは、やることを広げるほど続かなくなります。見るのは重複・古いレコード・使われない項目・選択肢の乱れの4つで十分です。

そして頻度は、毎月は新規分の確認と表記ゆれだけ、年1回は項目と区分の見直し。項目の削除やデータの移し替えのように戻せない作業は、手順と退避を決めてから着手する。最後に、担当を個人名で決めて、手順を1枚書き、やった記録を残す。これだけで、数年使っても数字が信用される状態を保てます。

DX Connectでは、kintoneのデータ整理の進め方の整理から、重複の寄せ方・項目の統廃合といった戻せない作業の手順づくり、月次の点検を社内で回せる状態への引き継ぎまでご相談を承っています。「今のアプリの状態を見て、何から手を付けるべきか教えてほしい」という段階でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。