kintoneとPower BIをつなぐ方法を調べる方は多いのですが、本当に知りたいのは手段ではなく「つないだ結果、何が見えるようになるのか」であることが少なくありません。手間をかけてつないでも、出てくるものがkintoneのグラフと変わらないなら意味がないからです。本記事では、kintoneのデータをPower BIで見ると具体的に何が分かるようになるのかを、活用例から整理します。

kintoneの標準グラフで見えること・見えないこと

先にはっきりさせておくと、kintoneの標準グラフは必要十分な場面が多いです。1つのアプリの中で、件数を数える・金額を合計する・担当者別や月別に分けて見る、といった用途なら、わざわざ外に出す必要はありません。グラフの設定もアプリの画面内で完結します。

一方、次のような見方になると標準グラフでは組みにくくなります。

Power BIを使う価値が出るのは、だいたいこの5つのどれかに当たったときです。逆に当たらないなら、kintoneの中で済ませたほうが速く、保守も楽です。

活用例——案件の進み具合・問い合わせの傾向・アプリをまたいだ集計

形にしやすいのは、次のような見方です。

ここで挙げた例に共通しているのは、「数字を出すこと」ではなく「次の行動が決まること」を目的にしている点です。止まっている案件が分かれば声をかける、増えている問い合わせが分かれば資料を直す。見ても行動が変わらない数字は、並べても使われません。活用例を選ぶときは、「これが見えたら誰が何をするのか」を先に一言で書いてみてください。

【判断基準】Power BIまで使う価値がある場合・kintoneの中で足りる場合

次の観点で切り分けると判断しやすくなります。

Power BIまで使う価値が出やすいのは、こういう場合です。

kintoneの中で足りることが多いのは、次の場合です。

最後の点は見落とされがちです。入力が揃っていないデータを外に出すと、見栄えのよいグラフで間違った数字が共有されます。まずkintone側の項目と入力ルールを整えるほうが先です。この順番についてはPower BIのグラフがおかしい原因は、だいたい「元データ」にあるで整理しています。

自社に合う活用例が見つかったら、次に決めること

見たい形が決まったら、順番としては「どの1枚から作るか」を決めてから、つなぎ方を選ぶのが手戻りが少なくなります。先に接続の仕組みを整えても、何を見るかが決まっていないと、結局使われないレポートができます。

最初の1枚の選び方はPower BIで最初に作るべきレポートは何かで、kintoneとPower BIの具体的なつなぎ方と選択肢はkintoneのデータをPower BIで見たい——連携方法の選び方で扱っています。本記事では繰り返しません。

なお、kintoneおよびPower BIの機能・接続方式・ライセンスの条件は提供元の仕様によります。仕様は変わりうるため、具体的な構成を固める段階では最新の公式情報をご確認ください。

まとめ——「見えるようになること」から逆算する

kintoneとPower BIをつなぐかどうかは、技術の話として考えると判断がつきません。判断がつくのは、「何が見えるようになると、誰の行動が変わるのか」を先に書き出したときです。

複数アプリをまたぐ集計、kintone以外のデータとの突き合わせ、前年比のような計算、絞り込みながら見る使い方。このどれかに当たるなら、Power BIを使う価値があります。当たらないなら、kintoneの標準グラフで十分です。まずは手作業で作っている資料を1つ選び、それをPower BIで置き換えられるかから考えてみてください。

DX Connectでは、kintoneのデータを使った分析の切り口の整理から、レポートの設計・構築、社内で運用できる形への引き継ぎまでご相談を承っています。「自社のkintoneから何が見えるか」の見立てだけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。